(3)盛り


切返しの翌朝4時頃。前日の作業から約13時間が経過し、今度は「盛り」です。麹の品温や湿度、そして麹菌が米に生える「破精」の進行を細かく調節していくため、小さな麹蓋(こうじぶた)に盛り分けていきます。

朝4時から「盛り」作業が始まる。
朝4時から「盛り」作業が始まる。
まずは切返し機を使って米をほぐしていく作業から。
まずは切返し機を使って米をほぐしていく。

前日の切返しから約半日が経った。既に「蒸米」から「麹」の顔になっている!
前日の切返しから約半日が経った。既に「蒸米」から「麹」の顔になっている!
手を使い、ほぐしてほぐしてひたすらほぐす朝5時!
手を使い、ほぐしてほぐしてひたすらほぐす朝5時!

いよいよ麹蓋に盛り分けていく。作業中、水分や品温を保つために布をかける。
いよいよ麹蓋に盛り分けていく。作業中、水分や品温を保つために布をかける。
作業中、2人の会話は最小限。犬塚さんが短く指示を出し、もう一人の蔵人さんが無言で応える。そうした光景が繰り返される。
作業中、2人の会話は最小限。犬塚さんが短く指示を出し、もう一人の蔵人さんが無言で応える。そうした光景が繰り返される。

室温は30℃超。酒蔵の中でもここだけが別世界。
室温は30℃超。酒蔵の中でもここだけが別世界。
麹造りのためにベストな環境となるよう、温度・湿度等を調整できる設備が整えられている。
麹造りのためにベストな環境となるよう、温度・湿度等を調整できる設備が整えられている。

「泉橋酒造の春」特集内でインタビューをさせていただいた犬塚晃介さん。その時に伺った麹造りの話を(約1年経って)ようやく生かすことができました!
「泉橋酒造の春」特集内でインタビューをさせていただいた犬塚晃介さん。その時に伺った麹造りの話を(約1年経って)ようやく生かすことができました!
麹蓋に盛っていく際は、重量ではなく体積が基準。同じ米、同じ精米歩合でも、麹蓋8枚に盛った際の重量は日によって異なる。
麹蓋に盛っていく際は、重量ではなく体積が基準。同じ米、同じ精米歩合でも、麹蓋8枚に盛った際の重量は日によって異なる。

「麹蓋を使って小分けにしていくので、結構手間はかかりますね」と犬塚さん。その手つきからは、ひと粒も無駄にはしない姿勢が見て取れた。
「麹蓋を使って小分けにしていくので、結構手間はかかりますね」と犬塚さん。その手つきからは、ひと粒も無駄にはしない姿勢が見て取れた。
この日は「恵 海老名耕地」の酛麹になる山田錦(精米歩合55%)の作業だった。盛りを終えたとき、時刻は5時半。まだまだ「今日」は始まったばかりだ。
この日は「恵 海老名耕地」の酛麹になる山田錦(精米歩合55%)の作業だった。盛りを終えたとき、時刻は5時半。まだまだ「今日」は始まったばかりだ。